Case 05 · Seminar Report

もう集客で消耗しない。
実店舗のための「店が疲れない導線」づくり

2026.07.03文: 運営の竹原マーケな夜会 セミナーレポート
#実店舗マーケティング#店舗集客#LINE公式#AI活用

Instagram、LINE公式、動画、AI、固定費の見直し。やることが増え続ける実店舗に必要なのは、手法を増やすことではなく、お客様がまた来たくなる一本の導線を整えることでした。

Opening

運営の竹原です。

今回は、実店舗向けのマーケティングセミナーを開催しました。テーマは「もう集客で消耗しない」。実店舗のための、店が疲れない導線づくりです。

飲食店、エステ、焼菓子店、グルメ発信、動画制作、マーケティング。参加してくださった方の業種はそれぞれ違いましたが、話の根っこにあった悩みは、かなり近かったように思います。

「もっと集客しなきゃ」「Instagramをがんばらなきゃ」「LINEもやった方がいいのかな」「動画も必要だよね」「AIも使わないと置いていかれるのかな」。

やることは、どんどん増えていきます。でも、店の現場にいる人の時間や体力は、そんなに増えません。

だから今回のセミナーでは、あえて「Instagramリール講座」や「LINE公式活用講座」や「ChatGPT講座」のような、わかりやすい手法名を主役にしませんでした。

もちろん、それぞれ大事です。でも、実店舗にとって本当に大切なのは、ひとつひとつの手法を増やすことではなく、お客様にどう出会い、どう満足して帰っていただき、どうまた来てもらうか。この流れを、店に合った形で整えることだと思っています。

Repeat

売上 = 笑顔の数 × また来るね

売上は、数字です。でも僕の中では、ずっとこういう感覚があります。

売上 = 笑顔の数 × また来るね

きれいごとに聞こえるかもしれません。でも、23年ほど店舗経営に関わってきて、これはかなり現実的な話だと思っています。

新規のお客様に来ていただくことは、もちろん大切です。ただ、新規集客だけを追い続けると、広告費も、投稿の労力も、現場の疲れも増えていきます。

一方で、満足して帰ってくださったお客様が、また来てくれる。誰かを連れてきてくれる。ふと思い出してくれる。この積み重ねがある店は、強いです。

今回のセミナーでは、いわゆる「1:5の法則」の話もしました。新規のお客様を1人獲得するには、既存のお客様にもう一度来てもらうよりも大きなコストがかかる、という考え方です。

業種や地域によって差はあります。それでも地方の実店舗では、新規を追い続けるより、再来店の導線を整える方が、利益にも現場の疲れにも効く場面が多い。これは、かなり実感としてあります。

Movie

バズる動画より、店が疲れない導線

僕は動画の力を信じています。YouTubeもかなり昔から使ってきましたし、動画には集客にもブランディングにも大きな力があります。

でも、今回伝えたかったのは「もっと動画を出しましょう」ではありません。

特に地方の実店舗では、バズったとしても、それがそのまま長く続く売上につながるとは限りません。一度来て終わり。遠方から来たけれど、次はない。話題にはなったけれど、現場の負担だけが増えた。そんなことも起こります。

動画は入口として強い。でも、導線がなければ消耗品になる。ここが、今回の大事なポイントでした。

バズる動画より、店が疲れない導線。

一度だけ来てもらうための発信ではなく、また来たくなる理由を積み上げる発信。この視点で考えると、Instagramも、LINEも、動画も、役割が変わってきます。

  • Instagramは、見つけてもらう場所。
  • LINE公式は、また来てもらう理由を届ける場所。
  • 動画は、店の空気や考え方を伝える場所。
  • AIは、発信を増やすためだけでなく、現場の迷いや手間を減らす道具。

それぞれをバラバラにがんばるのではなく、一本の導線としてつなげていく。それが、実店舗にとってのマーケティングだと思っています。

Profit

固定費を見直すことも、立派なマーケティング

固定費の話もしました。たとえば、毎月なんとなく払い続けている外部サービス。予約、集客媒体、配信ツール、管理ツール。もちろん必要なものもあります。

でも、そこに払い続けているお金の一部を、自社の顧客接点に戻せたらどうでしょうか。

月に数万円の固定費を見直すだけでも、年間では大きな金額になります。利益率10%の店なら、月数万円の利益改善は、その何倍もの売上を作るのと同じくらいの意味を持つこともあります。

売上を増やすことだけがマーケティングではありません。

  • 漏れている利益を止めること。
  • 現場が無理なく続けられる形に整えること。
  • お客様との接点を、自分たちの手元に残すこと。

これも、かなり立派なマーケティングです。

AI

AIは、発信量を増やす道具ではない

後半では、AI活用の話もしました。ただ、ここでも伝えたかったのは「AIで投稿を量産しましょう」ではありません。

AIは、店主が本業に戻るための道具です。

電話や打ち合わせの内容を文字起こしする。投稿や口コミ返信の下書きを作る。LINE配信の文章案を出す。Googleビジネスプロフィールの投稿案を作る。社長が直接言うと角が立つことを、少しやわらかい言葉に整える。

AIは、人を置き換えるものというより、現場の疲れや迷いを減らすために使えるものです。

大事なのは、AIに全部任せることではありません。人が判断する時間を増やすこと。店主が、店主にしかできない仕事に戻れる状態をつくること。そのためのAI活用なら、実店舗にもかなり相性がいいと思っています。

Community

インプットだけで終わらないのが、マーケな夜会

今回のマーケな夜会は、少人数での開催でした。大きな会場で、一方的に話を聞くセミナーではありません。だからこそ、それぞれの事業を題材にしながら話せました。

「自分の店ならどうだろう」「自分の発信なら、どこで詰まっているんだろう」「誰に、何を届けたいんだろう」。そんな問いが、自然と出てくる時間になりました。

マーケな夜会の良さは、インプットだけで終わらないところだと思っています。話を聞いて終わりではなく、懇親会や会話の中で、自分の事業に置き換えていく。参加者同士で話す中で、言葉が少しずつ自分ごとになっていく。

マーケティングを肴に語る。この感じが、やっぱりマーケな夜会らしいなと思いました。

最後にお伝えしたいのは、全部やる必要はない、ということです。

広告。LINE。動画。AI。固定費の見直し。発信コンセプト。再来店施策。どれも大切ですが、一気に全部を変えようとすると、また疲れます。

まずは、自分の店が毎月がんばって埋めている穴を、ひとつだけ見つける。そして、その穴を仕組みに変える。

新規集客を増やす前に、また来てもらう理由を整える。発信量を増やす前に、誰に何を届けたいのかを整える。AIを使う前に、何を減らしたいのかを決める。

その小さな整理が、店を長く続ける力になると思っています。

今回参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました。業種が違うからこそ、同じ話でも受け取り方が変わる。その違いが、場を面白くしてくれました。

マーケな夜会では、これからも浜松を中心に、事業者・クリエイター・マーケターが集まり、現場のマーケティングを一緒に考える場をつくっていきます。また、マーケティングを肴に語りましょう。

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